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3:『あいつの仕業 〜帽子の人〜 』








腰と足が痛い。

私、もう婆様になるときが来たんだろうか・・・


「こっちもだ」

「う、うん・・・ねぇ、ブルー。私、おばあちゃんになっちゃうかも」

「・・・・・は?」



今私は、訳あって青空牧場の手伝いをやらされている。
それも飼い葉を作ってサイロに運ぶといった、牧場経営をしてる人なら辛さが判る肉体労働。
か弱い女の子にやらせる仕事じゃないって。


でもそういう羽目になったのも自業自得なんだけど・・・





それはついさっきの出来事。


ブルーにあれほどやるな、と言われていたのに、犬にタマネギをやってしまったのだ。

ブルーがちょうどいいタイミングで家に訪れてきたときだったので、
その場の対処は任せっきりになっちゃったけど・・・

そのあとでこっぴどく、叱られた。

さすがに馬鹿なことをやらかしたと思い、何かお詫びをしなくちゃならんと考えたので、


「ブルー!何かそっちで手伝わせてよっ!」

「それよりお前はもう二度とタマネギ食わせないように反省しろ」

「う゛・・・っ、反省、してます」

「・・・・まぁ、そうだな。あれでもやってもらうか。ちょうど量が多くて困ってたとこだしな。」

「え!何かやらせてもらえるの?」


そこでフッと笑ったブルーがちょっと怖かった。

そこからこき使いが始まったんだよね・・・



「ブルー・・・・こっち、終わったよぉ」

カマを手に、私は額の汗を拭った。

「ああ、お疲れさん。お前、バテるの早いな」

「人使いが荒いだけでしょっ!・・・ん?」



緑色の牧草の中に、キラッと光りながら動く物体が視界に入った。
こ、これはもしや・・・・・


「カッ・・・」

「何だ?」

「カエルぅぅぅっ!!!!!」


あのヌメッとした皮膚。ギョロギョロした目。
私には苦手としか言いようがない生き物。

思わず、近くにいたブルーに抱き付いて助けを求めた。



「・・・なっ」

「お願いだからあのカエルどっかにやってー!早く、早く!!!」


ブルーはカエルをひょいと持ち上げると、杭の外へ放り出した。



「・・・・・おい、終わったぞ。早く、離れろって」

「あ〜・・・・ありがとう。すんごい怖かった」

私はブルーから体を離した。

「牧場主が生き物苦手でどうするんだ」

形が崩れた帽子を直しながら、ブルーは言った。

「いやぁ、カエルだけは駄目でさぁ」

「ふーん。・・・弱点、だな」


そう言うと、ブルーはまたフッ、と笑った。
ちょっと前に見せた笑い方とはまた違う、柔らかい笑顔。


「弱味、握らないでよ。」

「誰が握るか」








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