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プロローグ:『いつもの』







ムクッとおもむろに起き上がった私は、首を左右に動かしてポキポキ鳴らしてみせた。
窓からは小鳥の声、そして秋のやわらかな日差し。


・・・って、そんなことに構ってる暇なんかないっつーの。


朝からやることいっぱいあるんだから。

着ていたパジャマを直ぐさま着替え、いつもの作業着に身を包んだ。その間、30秒。
我ながらすごいと思う。ひょっとして今日のは新記録かもしんないな。

忙しいけどやることないよかよっぽどいいな、と思いながら家のドアを開けた。



この目の回るような忙しい生活は、ほんの2ヶ月くらい前に遡る。
何にでも人より身を乗り出して行動する私の性格からして、見つけたときは何つーか、
「これだ!」と来るものがあった。


そんで、ここまで来ちゃったんだよなぁ。

あの「ワクワク牧場プラン」っつー看板を見て。


もともと両親を早くに亡くした私は1人暮らしで、親戚の援助を受けながらもひとりでバイトしながら生活してきたんだ。
ここでぱっと、牧場生活っつーのも悪くないかなっと思ってやって来たのがここだった。

意気込んで来たのはいいけど、最初は何したらいいかさっぱり判らなかったし、ここの村の人たちには
散々お世話になってきた。

だから少しでも恩返ししようと、自分の畑で採れた初めての作物をおすそわけに行ったら
「あんまり美味しくなかった」
だってよ。

よくよく調べていったら、私の牧場は村の中心にあって便利だけど土の状態があんま良くないらしい。


・・・・・村長め。
変なところ選ばせやがって。



ああ、いやいや逆ギレはいかんよね。

とりあえず村の人たちには気持ちだけ伝わったみたいだし。

私の熱意を見て触発されたのか、逆に私にいいミルクとかくれたりするしね。



そんでなんだかんだあって、秋までやってこれた訳だけど。
まだまだすること沢山あるからね、絶対にこのちっこい牧場を立派にしてやるんだから。










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